浅論新エネルギー動力電池パックは熱伝導構造接着剤の最適な厚さの確定原則

時には、新エネルギーバッテリーパックは水冷板の上に熱伝導板を設置し、水冷板と熱伝導板の間に熱伝導構造接着剤を使用する必要があります。

問題は熱伝導構造接着剤の最適厚さはどのように決定されますか?

1.    参照データ

表1   熱伝導構造接着剤の熱伝導率と密度

品番

XK-D12L

XK-D20L

XK-D30L

熱伝導率     ,W/(m.K)

1.2

2.0

3.0

密度              ,g/cm3

2.2

2.49

2.85

 

表2  従来の接着剤の熱伝導率と密度

品番

匿名A

匿名B

匿名C

熱伝導率     ,W/(m.K)

0.19

0.21

0.23

密度              ,g/cm3

1.0

1.05

1.1

 

2.    未確定

2.1熱伝導構造接着剤の最適な厚さと最小の厚さ

2.2熱伝導構造接着剤の厚さと熱抵抗の増加の関係

2.3熱伝導構造接着剤の厚さと老化性能の関係を評価する

3.  失効モード分析(DFMEA)

熱伝導構造接着剤の最適な厚さと最小の厚さに影響する要因は、金属板の粗さ、反り、熱伝導構造接着剤の固化前のプレプレス圧力、熱伝導構造接着剤の内蔵粉体の最大粒径、熱伝導構造接着剤の加重平均粒径に依存する。

A)    従来の接着剤の厚さと熱抵抗評価

図1から図3に示すように、まず水冷板3に従来の接着剤2を垂らし、次に機械的な手で熱伝導板1を圧着し、設計された前締め圧力P0を加えて、従来の接着剤2を所望の厚さまで圧延させる。従来の接着剤2の粘度が大きいほど、目標の厚さが薄くなると、従来の接着剤2は所望の厚さまで圧延されるために必要な圧力が高くなり、あるいは同じ圧力で必要な圧延時間が長くなり、工程効率が低くなり、締め付け部品で位置決めした後、指定温度の環境で固化して固着して一体となる。

金属板の粗さは一般的に6.4ミクロン前後で、その反りや反り量はミリメートル級に近いので、プレプレスのP0が∞に近づく前に、両板の間の間隙率は1.2~12.7ミクロンの間で、平均最小間隙率は6.4ミクロン前後である。このギャップ状態において、金属板に存在する機械的な弾戻し応力は非常に大きく、弾戻し応力はまた、微分要素面積の異なる領域の圧力応力、引張応力及びせん断応力の総合的な重ね合せを含み、非常に複雑な高エネルギー内応力システムであり、固化後の接着界面の従来の接着剤は機械的応力の役割を永久に受けることで、接着強度を弱めることだけではなく、また,老化スピードが速めさせました。

 

1)従来接着剤最適厚みの確定

従って、従来の接着剤2の平均最小厚さは6.4ミクロンに設計されるべきではなく、少なくとも12.7ミクロンより大きいはずである。従来の「国尖」プロジェクトの設計経験において、正常な反り度において、最適な設計厚さは平均粗さの25倍が望ましいです。例えば、アルミニウム合金板の粗さが6.4ミクロンであれば、その25倍の厚さは0.16 mm、鋼材の平均粗さが0.10 mmであれば、接着剤の厚さはそれより25倍になり、即ち、2.5 mmとなり、ダイナミックプロセスにおける機械的応力を削減し、吸収し、緩衝することができ、施工効率が高いです。

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B)    XK-D12L製品の厚みと熱抵抗評価

図4に示すように、従来の接着剤とは違って、D系の製品の熱伝導構造接着剤は、異なる基材以外に、熱伝導粉体を添加しており、直径がdmaxの最大粒子と重み付け平均粒径の差異が存在します。

1)XK-D12L最適接着層厚みの確定

図5に示すように、レーザ粒度計という典型的な熱伝導粉体の粒径分布実験を採用します。図5から、粉末の最大粒径dmax=250ミクロン、つまり0.25 mmが示されます。これによって熱伝導構造接着剤の最小応用厚さは0.25 mmより大きくなければならないことが決定され、そうでないと金属板間に大きな機械的干渉弾力戻し応力が発生するので、これは避けなければなりません。

我が社の調合指図書によって最適化された「アナログ設計とシミュレーションテスト」のソフトウェア出力の結果、熱伝導体の粒子間の表面の平均距離は6.6ミクロンで、その25倍を取ると0.17 mmです。従って、機械的干渉を回避するために、弾力戻し応力は、即ち:

XK-D12L最適接着層厚みは0.17 +dmax= 0.42 mm。

同じ方法でXK-D20L、XK-D30Lの最適な接着層の厚さはそれぞれ0.48 mm、0.55 mmで、表4を参照してください。。

2)D系熱伝導楮接着剤熱抵抗増加値の確定

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C)     熱伝導構造接着剤の厚さと老化性能の関係の評価

1982-1985年間、宇宙飛行部所属の「複合固体推進剤老化研究」[1]プロジェクトで、すでに深く定量的な実測研究を行った結果、厚さまたは長さが直径より大きい場合、直径の増加は材料の物理的老化と化学的老化を遅らせ、使用寿命を延ばすことができます;直径は厚さと長さより大きい場合には、厚さと長さの増加は材料の物理的老化と化学的老化を緩め、使用寿命を延ばすこともできます。

この結論は原理的であり,熱伝導構造接着剤の老化判定にも同様に適用され,これまで反例はありませんでした。

2019-2020年の間に、中国科学院高エネルギー物理研究所と協力した「XK-P20とXK-P40絶縁熱伝導材料-長期使用信頼性予測実験研究」[2,3]プロジェクトで、直径が厚さより大きい、直径が一定である場合には、サンドイッチ構造試料の厚さが増加し、内部低分子物の移動揮発を抑制すること、即ち、材料の物理的老化と化学的老化を緩めることを再度定量的に実証しました。外部移動、浸透の低い分子総量は、試料の厚さに比例するが、濃度の変化速度は厚さによって変化しません。

この結論は熱伝導構造接着剤の老化判定にも同様に適用されます。

市販上には、直径が厚さより大きく、直径が一定の時のサンドイッチ構造の試料は、厚さが増加すると老化が加速するという説がありますが、データのサポートが得られないということです。

4.  結論:

4.1 D系の熱伝導構造接着剤の接着層の厚さが0.42~0.55の場合、厚さ0.16 mmの従来の接着剤に比べ、その抵抗増加値は従来の接着剤の熱抵抗増加値の(25~42)%のみで、D系の熱伝導構造接着剤は明らかに従来の接着剤より優れています。

4.2 市販上には、直径が厚さより大きく、直径が一定の時のサンドイッチ構造の試料は、厚さが増加すると老化が加速するという説がありますが、データのサポートが得られないということです。

 

[1] 肖扬华,  「tert-Butylferroceneの移転揮発及び燃速への影響」は、1984年9月に北海艦隊司令部(大連)中国宇宙航空学会でプレゼントし、核心刊行物「推進技術」に掲載され、1985、6 (2):49-60。

[2] 肖扬华 等,「XK-P20とXK-P40絶縁熱伝導材料 長期使用信頼性予測実験研究報告」、2020年10月31日、内部研究報告,GLPOLY研究開発センター、中国科学院高能物理研究所。

[3] 肖扬华 等,「XK-S20絶縁熱伝導材料長期服役信頼性予測実験研究報告」”、2020年05月26日、内部研究報告,GLPOLY研究開発センター。